沼津の方より相続についてのご相談
2020年03月09日
Q:元気なうちに妻に自宅を贈与したいが、生前贈与は相続での扱いはどうなるのでしょうか?(沼津)
沼津で40年間連れ添った妻と暮らしています。私たちには子供が2人おりますが、2人とも結婚し、沼津郊外で暮らしています。
私は妻よりも年上の持病持ちで、この先に不安があります。私に何かあると妻は沼津の自宅に1人で暮らすようになりますので、私が元気なうちに妻に自宅を贈与したいと思っています。そこで、妻に自宅を生前贈与した場合、その贈与は相続においてどのように扱われるのかご教授いただけないでしょうか?自宅を生前贈与することでかえって妻に不利益な結果となってしまうことは避けたいと思っています。(沼津)
A:民法改正により、一定の条件下で、夫婦間での居住用不動産の生前贈与について、相続時配偶者は保護されます。
2019年7月の民法(相続法分野)改正により、婚姻期間20年以上の夫婦間での居住用不動産の相続・贈与につき、配偶者を保護するための取扱いが定められました。
相続の場面では、相続人が婚姻・養子縁組・生計の資本として受けた生前贈与については、原則、遺産の先渡しを受けたものとして取り扱うことになり、該当する生前贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、生前贈与を受けた相続人の相続分を修正すること(持戻し)になります。しかし、被相続人が、該当する生前贈与については持戻しをしない意思を表示していた場合は適用されません。
この生前贈与の持戻しの取扱いについて、2019年7月1日から民法(相続法分野)が改正され、「婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用の建物とその敷地について生前贈与があったときは、被相続人はその相続・贈与については、持戻しをしない意思を表示していたことが推定される」こととなりました。すなわち、被相続人が生前に相続分の持戻しをしない意思を表示していなかった場合でも、その意思を表示していたことが推定されるようになったのです。
したがって、ご相談者様の奥様への沼津のご自宅の生前贈与に関しましても、ご相談者様が、その贈与について持戻しをしない意思を表示していなかった場合でも、そのような意思を表示していたことが推定されるということとなり、奥様の相続分について、生前贈与された自宅不動産は相続財産に算入せずに計算されます。
以上のことは、民法(相続法分野)改正に関する記述ですので、ご相談者様の奥様へのご自宅不動産の贈与の進め方については、ぜひ専門家にご相談されることをお勧めします。
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